さをり織りを使ったサンダル試作 裁断編
こんにちは、東光株式会社 マーケティング部です。
6月に続き、今月も相変わらず暑いを通り越して暑過ぎる毎日が続いております。皆さまもできる限り日中の炎天下を避け、こまめに水分補給して体調管理とコロナ感染に十分気をつけながら、お盆休みまで頑張りましょう。
今回、あるご縁をきっかけにご依頼を受けてスタートした「さをり織り」製法の素材を使った、サンダル生産へ向けたサンプル試作の一部をご紹介します。
と言っても私たち社内でも、そもそもさをり織りとは一体何なのか?という素朴な疑問から、生産してどんな問題が生じるのか、ということまでテスト試作と生産リスクを検証しながら、同時に進行することになりました。
さをり織りとは
まずは、『さをり織り』とは何ぞや?を解決するため、すぐにGoogleさんで検索したところ、城みさを様という方が創始者で、しかも地元大阪で生まれた織物製法ということが分かりました。当社のある地元大阪が発祥ということや、感性のまま自由に布を織る自由な製法ということもあり、とても感慨深いですね。
テレビ大阪さんが番組で取材されたYouTube動画を参考に、さをり織りについて勉強させていただきました。
また、さをり織りに関する教室や体験などをご紹介されている専門のWebサイトがありました。ご興味のある方は、さをり織りを活用した様々な商品作りに役立つかもしれません。
ここで、今回ご依頼いただいたジョイントクラブ様をご紹介いたします。
ジョイントクラブ様は、鞄やファッション雑貨を中心に、百貨店などで期間限定の催事やイベントを開催されている会社様です。ラジオ番組などにも出演し、さをり織りの良さや奥深さを積極的に広める活動をされています。
サンダルや靴生産の難しさもご理解されており、『 靴は鞄や衣類とは違い、型やサイズが多くロットの課題があるのは知っています。ですので、デザインなども東光さんが生産できる体制でお任せします。私たちは、さをり織りを使用したサンダルや履物を広めていきたいんです。』という何とも温かいお言葉をいただいたので、当社としても国内の伝統産業を守り、サンダルメーカーとしてきちんとお応えするべくチャレンジしてみようと判断したのです。
さをり織りの難しさは左右のバランス
年間数十万足というサンダルを国内外で生産してきた当社の経験から、まず品質管理面で難しい判断をすることになると思っていました。そもそも靴は左右揃ってはじめて1つの商品になります。当然、品質面において左右非対称となるデザインでは商品としては不合格、ということになります。
厳密に言えば、一般的に製品を取り扱う企業様が設定した、ある一定の品質基準をクリアしない限り、特に大手量販店様やチェーン店様などでは不良品扱いとなることがほとんどなのです。ましてや寸分狂わず左右均等に揃っていないデザインは厳格に弾かれ、消費者目線では問題なく履ける商品であったとしても基準に満たない場合は、SDGsや環境問題とは相反することになってしまうのが現実です。
しかし今回のさをり織りのお仕事は、それを覆すような企画であることが当社にとっては新鮮であり、ロットの課題はあるものの国内生産とその需要にお応えする、新たな挑戦の始まりであると前向きに捉えました。実はある程度のロットと基準があった方が、生産業務を進行する上ではシンプルなことも多いのです。
さをり織りのアッパー裁断
コロナ禍という状況下からの流れもあり、通常通りの業務進行とはまだいきませんが、サンダルのアッパー(甲を覆うデザイン部分)の裁断が少しずつ上がってきました。当初思っていたより仕上がりはかなり良く、第一段階としては、少しホッとしています。が、ここからが本番です。底付けと仕上げ作業を終えたら、次は品質テストです。
素材の特性や靴の摩耗頻度からすると、日常生活のおける多少の色落ちは仕方ないのですが風合いや織物自体のデザインを活かした、他の人とは被らないオンリーワン商品作りを楽しみながら、次回は完成品をご紹介していきたいと思っています。
東光株式会社 広報PR課